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一つの花(場面2)

 ◇ 本時の授業構成は,次のような仕掛けになっている。                                                                                                                                                               発問1 ゆみ子が最初に覚えた言葉は,何ですか。(「1つだけちょうだい。」)
指示1 その言葉を見つけて,指さしなさい。                
指示2 この列の人それを言いなさい。(4人指名。)            
指示3 どうして,ゆみ子は,この言葉を覚えてしまったのか,それが書いてある
   文全部に線を引きなさい。                      
   (「1つだけ 。1つだけ 。」と…………口ぐせを覚えてし
    まったのです。)                         
発問1 今日は,場面2です。場面2では,ゆみ子とお母さん以外に,だれかが出
   てきますね。誰ですか。(お父さん)                 
説明1 この場面では,お父さんとお母さんがゆみ子のことをいろいろと言ってま
   すね。                               
    では,このお母さんとお父さんの顔を思い浮かべながらいきましょう。 
   (場面1と同じ音読の仕方の指示をする。)              
指示4 では,誰かにお父さんとお母さんになって読んでもらいます。ナレ−ショ
   ンは,先生がします。《教師の方で指名する。》            
指示5 では,いかにもそのときのお母さん,お父さん,というつもりで読んでみ
   なさい。                              
    他の人は,読み方がいいかどうか,と考えながら聞いてみてください。 
    では,どうぞ。                          
指示6 では,「とてもよかった。」という人は,ノ−トにO,もう少しだったと
   いう人は,ノ−トに△を書きなさい。                 
   《Oと△をそれぞれ挙手させる。》                  
発問2 では,△の人起立。どんなところがもうひとつでしたか。       
指示7 では,そのように読んでもらいます。                
説明2 みんなの意見では,心配そうに,悲しそうに,元気なそうに読んだらいい
   あるいは,そのような表情で読んだらいいということですね。      
発問3 今からある作業をしてもらいます。お父さんの会話のところはいくつの文
   からできていますか。                        
指示8 文の始めに@ABと番号を打っていきなさい。            
発問4 お父さんは,悲しそうな顔をしながらゆみ子のことを語っていますね。 
    では,@〜Dのうち,どこで1番悲しそうな顔になったでしょう。   
指示9 1つ選んで,ノ−トに番号を書きなさい。              
   《その後,挙手させて人数を確認する。》               
指示10 それぞれ理由をいってもらいます。@からどうぞ。          
発問5 ところで,お父さんは,ゆみ子のことを語っているとき,どこを見ながら
   語っていたと思いますか。                      
指示11 ずばりノ−トに書きなさい。                    
   《その後,全員の意見を聞く。》                   
指示12 理由を聞きます。                         


上記を具体化すると


◎ ゆみ子の現在の状況や将来のことを悲しく思うお父さんやお母さんの気持ちを
 想定することができる。                         

発問1 ゆみ子が最初に覚えた言葉は,何ですか。(「1つだけちょうだい。」)
指示2 この列の人それを言いなさい。(4人指名。)            
発問1 ゆみ子はどうしてこの言葉を覚えてしまったのですか。        
指示3 それが分かる文全部に線を引きなさい。               

「1つだけし 。1つだけ 。」と…………ゆみ子は,知らず
知らずのうちに,お母さんのこの口ぐせをを覚えてしまったのです。 

発問1 今日は,場面2です。場面2では,ゆみ子とお母さん以外に,だれかが出
   てきますね。誰ですか。(お父さん)                 
説明1 この場面では,お父さんとお母さんがゆみ子のことをいろいろと言ってま
   すね。                               
    では,このお母さんとお父さんの顔を思い浮かべながら読んでいきます。
   (場面1と同じ音読の仕方の指示をする。)              
指示4 では,誰かにお父さんとお母さんになって読んでもらいます。ナレ−ショ
   ンは,先生がします。《教師の方で指名する。》            
指示5 では,いかにもそのときのお母さん,お父さん,というつもりで読んでみ
   なさい。                              
    他の人は,読み方がいいかどうか,と考えながら聞いてみてください。 
    では,どうぞ。                          
指示6 では,「とてもよかった。」という人は,ノ−トにO,もう少しだったと
   いう人は,ノ−トに△を書きなさい。                 
   《Oと△をそれぞれ挙手させる。》                  
発問2 では,△の人起立。どんなところがもうひとつでしたか。       

《児童は以下のことを指摘してくると予想される。》

@ 深いため息をしない。                       
A 表情や口調(読み方)                       
  悲しい,暗い,つらそう,ゆっくり,小さめの声で

指示7 では,そのように読んでもらいます。                
説明2 みんなの意見では,心配そうに,悲しそうに,元気なそうに読んだらいい
   また,そのような表情で読んだらいいということですね。        
発問3 今からある作業をしてもらいます。お父さんの会話のところはいくつの文
   からできていますか。(5つ)                    
指示8 文の始めに@ABと番号を打っていきなさい。(@〜D)       

発問4 お父さんは,悲しそうな顔をしながらゆみ子のことを語っていますね。 
    では,@〜Dのうち,どこで1番悲しそうな顔になったでしょう。   
指示9 1つ選んで,ノ−トに番号を書きなさい。              
   《その後,挙手させて人数を確認する。》               
  (D,C,@の順で多いだろう。)                   
指示10 それぞれ理由をいってもらいます。@からどうぞ。          
発問5 ずばりお父さんは,何が悲しいのですか。また,何が心配なのですか。 
指示11 「何々が悲しい,何々が心配」とズバリノ−トに書きなさい。     

◇ ゆみ子の将来が心配,                       
◇ ゆみ子の将来のことを考えると悲しい                
◇ ゆみ子に少ししか喜びをあげられないことが悲しい。

発問6 ところで,お父さんは,ゆみ子のことを語っているとき,どこを見ながら
   語っていたと思いますか。                      

@ ゆみ子の顔  A 天井  B どこも見ていない 

示12 ずばりノ−トに書きなさい。                    
   《その後,全員の意見を聞く。》                   
指示13 理由を聞きます。                         
   (そこを見たときのお父さんの気持ちやそのときの状況が浮き彫りにされる
    であろう。)                           
説明3 その後お父さんはゆみ子を高い高いしますね。そしてそれも「めちゃくち
   にです。                              
    では,「めちゃくちゃ」があるのとでないのとでは,どうちがうか考えて
   みます。                              
指示13 今から先生が読みますので,そのときのお父さんの顔を思い浮かべながら
   聞きなさい。(3,4回ほどくり返して読む。)            

A お父さんは,ゆみ子をめちゃくちゃに高い高いする。      
B お父さんは,ゆみ子を高い高いする。          

    聞いてみて,どんな違いを感じましたか。              
発問7 めちゃくちゃに高い高いするというのは,ものすごい高さでするというこ
   とですね。あぶなくないですか。(いいえ。)             
発問8 では,お父さんがそんなにも高い高いしたのは,どうしてでしょう。  
指示14 ノ−トにその理由を書きなさい。                  
   (@ ゆみ子がすごく喜ぶから。 A 思いっ切りすることで,自分のつら
     い気持ち(戦争に行く,家族と別れる,死ぬかもしれない)をまぎらわ
     せるため。 B ゆみ子にはふだん何もしてあげられない。せめて高い
     高いをすることで,喜ばせてあげたいから。)           
                                     

発問9 高い高いをするとき,お父さんは,どこを見ていたのでしょう。    
指示14 ノ−トに書きなさい。                       
   (@ ゆみ子の顔  A 天井 B 体全体 C どこも見ていない。) 
                                     
   《全部の意見を出させる。その後,挙手で人数を確認する。》      
指示15 それぞれ理由言ってもらいます。                  

ゆみ子の顔 @ ゆみ子が喜んでいるかどうかを見るため。        
      A ゆみ子の喜んでいる顔を見ることで,自分のつらいを気持ち
       をまぎらわせる。                    
天 井   @ 天井にゆみ子がぶつからないように。          
      A あぶなくないように。                 
体全体   @ 落ちてくるときに,落とさないように。         
      A しっかりと受け止められるように。           
どこも見ていない @ とてもつらいので,ゆみ子の顔を見てられない。   

発問8 お父さんは,この高い高いを毎日してますか。そうでないですか。   
    毎日してると思う人?そうではないという人?            

毎 日    「決まって」と書いてあるから。             
そうでない  「そんなとき」と書いてあるから,そんなときに「決まって」
      する,ということである。                 
       そんなときとは,前のゆみ子のことを話したときのことである
       だから,ゆみ子のことをお母さんと話したときには,「決まっ
      て」するということである。                
       ゆみ子のことを話して,暗い気分になったときは,ということ
      である。